「Audibleは何倍速で聴くのがいい?」
「2倍速にすると、内容が頭に入らなくならない?」
Audibleを使い始めると、一度は気になるのが再生速度だと思います。
僕はAudibleを約2年間使い、これまでに122作品、合計約1,010時間聴いてきました。
仕事柄、営業車で月約4,000km走るため、Audibleを聴く場所のほとんどは車の中です。
いろいろな速度を試した結果、現在僕が一番よく使っているのは1.7倍前後。
ただし、すべての本を1.7倍で聴いているわけではありません。
小説なのか、ビジネス書なのか。
ナレーターの話すテンポは速いのか遅いのか。
内容は簡単なのか難しいのか。
運転中なのか、じっくり聴ける状況なのか。
こうした条件によって、1.5〜2.0倍程度の間で調整しています。
Audibleのベストな再生速度は「一番速く聴ける速度」ではなく、「無理なく意味を追い続けられる速度」だと思っています。
この記事では、約1,010時間Audibleを使ってきた僕の実体験に加えて、音声や動画の再生速度と「理解」「記憶」「認知負荷」について調べた研究も紹介しながら、Audibleの再生速度について考えてみます。
※この記事で紹介する研究の多くは、講義動画や実験用の音声を使った研究です。
Audibleや「車を運転しながらオーディオブックを聴く状況」を直接調べた研究ではありません。
そのため、「研究によってAudibleの最適な再生速度が証明されている」という意味ではなく、自分に合う再生速度を考えるための参考材料として紹介します。
この記事を書いた人
・Audible歴:約2年
・総再生時間:約1,010時間
・聴いた作品:122作品
・主な利用場所:営業車
・走行距離:月約4,000km
・普段の再生速度:1.7倍前後


結論|僕は1.7倍前後が一番聴きやすい

最初に結論を書くと、僕は現在1.7倍前後で聴くことが一番多いです。
理由は単純で、
「内容の追いやすさ」と「テンポの良さ」のバランスがちょうどいいから。
1倍だと、作品によっては少しゆっくり感じます。
一方、2倍まで上げると、内容やナレーターによっては「意味を理解する」よりも「言葉を聞き取る」ことに意識を使ってしまいます。
その中間にある1.7倍前後が、僕には一番自然です。
とはいえ、これはあくまで僕の場合。
「1.7倍がAudibleの正解」というわけではありません。
同じ僕でも、作品によって再生速度は変えています。
1倍・1.5倍・1.7倍・2倍はどう違う?
約1,010時間使った僕の感覚を整理すると、こんなイメージです。

| 再生速度 | 僕が感じる特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 1.0倍 | ゆっくり。作品によっては間延びして感じる | 難しい内容、朗読そのものを味わいたい作品 |
| 1.5倍 | 聞き取りやすさとテンポのバランスがいい | Audible初心者、難しめの本 |
| 1.7倍前後 | 僕が普段もっともよく使う | 小説・ビジネス書全般 |
| 2.0倍 | 時短効果は大きいが、作品によって忙しく感じる | 分かりやすい本、ゆっくり話すナレーター |
僕の場合は、まず1.7倍前後で聴いてみて、
「ちょっと速いな」
と思えば1.5倍程度まで落とします。
逆に、
「このナレーターはかなりゆっくり話すな」
と感じたら、1.8倍や2倍まで上げることもあります。
数字に自分を合わせるのではなく、作品に速度を合わせる。
これが一番使いやすいと感じています。
「速く聴くほど効率がいい」とは限らない
Audibleの再生速度を上げると、当然ながら同じ本を短い時間で聴けます。
例えば10時間の作品なら、
- 1倍:約10時間
- 1.5倍:約6時間40分
- 2倍:約5時間
です。
こう見ると、
「だったら2倍で聴いた方が効率がいい」
と思いますよね。
でも、僕は再生時間が短くなることと、本の内容を理解できることは別だと思っています。
2倍で5時間かけて聴いても、
「結局何の話だった?」
となれば、僕にとってはあまり意味がありません。
逆に1.5倍で少し時間がかかっても、内容を自然に追えているなら、その方がいい。
Audibleの効率は「何時間短縮できたか」ではなく、「どれだけ内容を受け取れたか」で考えています。
研究では「再生速度」と理解・記憶はどう考えられている?
ここから少し研究の話をします。
再生速度について調べてみると、
「速くしても成績はほとんど変わらなかった」
という研究もあれば、
「高速化すると認知負荷が増え、学習成績が低下する傾向があった」
という研究もあります。
つまり、単純に
「速い=ダメ」
とも、
「2倍でもまったく問題ない」
とも言えません。
2倍速でも記憶成績に差が出なかった研究がある
2023年に、60人の医学生を対象として、講義動画を1倍速と2倍速で視聴する実験が行われました。
動画を見た直後と1週間後にテストをしたところ、1倍速と2倍速のグループの間で、記憶テストの成績に統計的な有意差は確認されませんでした。
これだけ聞くと、
「2倍でも問題ないじゃん」
と思います。
ただし、この実験は医学生が講義動画を見る状況です。
小説を楽しむことや、営業車を運転しながらAudibleを聴く状況とは条件が違います。
そのため、
2倍速でもAudibleの理解度は落ちない
とまで言うことはできません。
一方、2025年のメタ分析では「高速化にはデメリットもある」
一つの研究だけを見ると結論が偏る可能性があります。
そこで参考になるのが、2025年に発表された動画学習の高速再生に関するメタ分析です。
この研究では12本の実験・準実験研究をまとめて分析しています。
その結果、動画を高速化すると平均的には、
- 認知負荷が高くなる
- 記憶・保持テストの成績が下がる
- 学習満足度が下がる
といった傾向が報告されています。
ただし、この研究自体も、
- 動画の内容
- 字幕の有無
- 学習する分野
- 元々の話す速度
- 学習者側の違い
などによって結果が変わり得るとしています。
つまり、
「何倍までなら絶対大丈夫」という境界線があるわけではない。
ということです。
この点は、僕がAudibleを使っていて感じることともかなり一致します。
人によって聴きやすい速度が違うのは自然
2022年の研究では、76人の大学生を、
- 1.0倍
- 1.25倍
- 1.5倍
- 2倍
の4グループに分けて動画学習を比較しています。
この研究では全体として1.25〜1.5倍で良い学習結果が見られましたが、学習能力などによって良い成績を出した速度が違いました。
また、速度を上げることで認知負荷が高くなる傾向も報告されています。
つまり、
Aさんは1.5倍が聴きやすい
Bさんは2倍でも問題ない
Cさんは1.2倍がちょうどいい
という違いがあっても不思議ではありません。
僕には1.7倍が合っていますが、それをそのまま他の人に当てはめる必要はないと思っています。
「速すぎる」だけでなく「遅すぎる」と聴きにくいこともある
僕はAudibleを使っていて、もう一つ感じることがあります。
それが、
遅すぎても集中しづらい
ということです。
ナレーションがゆっくりすぎると、僕の場合は次の言葉が出てくるまでに別のことを考えてしまいます。
特に長時間運転していると、
「もう少しテンポよく話してほしいな」
と感じることがあります。
興味深いことに、2026年に発表された音声研究では、若い成人を対象に話速を変えて調べたところ、速い音声だけでなく、遅い音声でも条件によって聞き取りの努力や理解に悪影響が出ることが報告されています。
特に、別の課題を同時に行うデュアルタスク条件では、速すぎる音声と遅すぎる音声の両方で理解エラーが増えました。
もちろん、
「だからAudibleは高速再生した方がいい」
という意味ではありません。
僕の感覚としては、
速すぎると頭が追いつかない。でも遅すぎると意識がそれる。その間に、自分が集中しやすい速度がある。
というイメージです。
僕の場合、その位置が1.7倍前後なのだと思います。
「聞き取れる速度」と「疲れずに聴ける速度」は違う
ここもAudibleでは重要だと思います。
例えば2倍速。
僕でも作品によっては普通に聞き取れます。
でも、
「聞き取れるから、その速度で2時間聴き続けたいか?」
と言われると別です。
2倍で30分なら快適でも、2時間続けると疲れる本もあります。
特にAudibleは、短い動画ではなく10時間、20時間を超える作品も珍しくありません。
そのため僕は、
「聞き取れる最大速度」ではなく、「長時間でも疲れずに聴き続けられる速度」を選ぶ。
ようにしています。
長くAudibleを使うなら、この違いはかなり大きいと思います。
運転中は「再生速度」以外にも脳を使っている
僕の場合、Audibleのほとんどを営業車の中で聴いています。
ここが、自宅でじっくりオーディオブックを聴く場合との大きな違いです。
運転中は、
- 前の車との距離を見る
- 信号を見る
- 歩行者や自転車を見る
- 右左折する
- ナビを確認する
- 周囲の車の動きを見る
といったことを同時に行っています。
つまり、Audibleだけに集中しているわけではありません。
当然ながら、安全運転が最優先です。
先ほど紹介した2026年の音声研究でも、別の課題を同時に行う条件では、話速による理解への影響が表れています。
これは運転そのものを研究したものではありませんが、
「何かをしながら音声を理解する場合、音声だけ聴く状況とは条件が違う」
ということを考える材料にはなります。
僕自身も、道路状況が複雑になるとAudibleの内容が頭に入らなくなることがあります。
それは普通だと思っています。
運転中は道路状況によって聞き取りやすさも変わる
同じ1.7倍でも、状況によってAudibleへの集中しやすさはかなり違います。
例えば、
交通量が少なく、一定の速度で走っているとき。
一方で、
信号が多い市街地や、右左折が続く場所。
当然、後者の方が運転へ意識を使います。
そんなときに、
「せっかくAudibleを流しているから全部理解しないと」
とは考えません。
運転に集中する場面では、Audibleの内容が抜けても気にしない。
必要なら後で聴き直せばいいからです。
再生速度を考える以前に、安全運転が最優先です。

小説は1.7〜2倍でも聴きやすいことが多い
僕の場合、小説は比較的速度を上げやすいです。
特に、
- 会話が多い
- ストーリーがテンポよく進む
- 登場人物が分かりやすい
- 難しい専門用語が少ない
といった作品です。
こうした小説は、多少速くしても流れを追いやすいと感じます。
例えば、僕は『プロジェクト・ヘイル・メアリー』を1.8倍前後で聴きました。
25時間を超える長編ですが、物語の続きが気になったこともあり、このくらいの速度でも十分楽しめました。
一方で、登場人物が多かったり、世界観が複雑だったりする作品は少し速度を落とします。

ビジネス書は内容によって速度を大きく変える
ビジネス書は、小説以上に速度差が出ます。
比較的分かりやすい内容なら1.7〜2倍程度で聴くことがあります。
一方で、
「これは考えながら聴きたい」
という本なら1.5倍程度まで落とします。
特に専門用語が多かったり、前の内容を理解していないと次の話が分からなかったりする本。
こうした本を速くしすぎると、
音声は聞き取れているのに、意味を処理できていない
という状態になります。
僕はこれを、速度を落とす一つのサインにしています。
ナレーターによって適正速度はかなり変わる
Audibleでは、同じ1.7倍でもナレーターによって体感速度が全然違います。
もともとゆっくり話すナレーターなら、1.8倍や2倍でも自然。
逆にテンポの速いナレーターなら、1.5倍でも十分なことがあります。
さらに小説の場合は、単に情報を理解するだけではありません。
- 間の取り方
- 感情表現
- 登場人物の声色
- シーンの緊張感
なども作品の一部です。
速くしすぎると、せっかくの演技が少し薄く感じることもあります。
Audibleは「情報を最速で摂取するサービス」ではなく、「本を音声で楽しむサービス」でもある。
これは1,000時間以上使って、以前より強く感じるようになりました。
Audible初心者は何倍速から始める?
初めてAudibleを使うなら、僕はまず1.2〜1.5倍程度から試してみるのがいいと思います。
いきなり2倍にする必要はありません。
まず1.2倍。
普通に聴けるなら1.3倍。
さらに大丈夫なら1.5倍。
というように少しずつ変えていけば十分です。
そして、
「ちょっと速いな」
と思ったら戻せばいい。
再生速度に正解はありません。
「速く聴けるようになること」を目標にする必要はないと思います。
目的は、Audibleの再生速度を競うことではなく、本を楽しむことです。
再生速度で迷ったら「意味を追えているか」で判断する
僕が現在使っている判断基準はかなりシンプルです。
音声そのものを聞き取れているかではなく、
話している意味を自然に追えているか
で判断します。
例えば2倍にして、
言葉そのものは聞こえている。
でも30秒後に、
「あれ?今何の話をしていた?」
となる。
それなら、その本にとって2倍は速すぎる可能性があります。
逆に1.5倍で、
「遅くて別のことを考えてしまう」
なら、少し上げてみる。
耳が追える速度ではなく、頭が追える速度にする。
僕が約1,010時間Audibleを使ってきて、一番しっくりきている考え方です。
僕が再生速度を決める5つの基準
ここまでの内容をまとめると、僕は次の5つで再生速度を決めています。
① 内容を自然に理解できているか
聞き取ることに必死なら少し速度を落とします。
② 遅すぎて意識がそれていないか
ゆっくりすぎて別のことを考えるなら少し上げます。
③ 長時間聴いても疲れないか
30分ではなく、1〜2時間聴くことを考えます。
④ ナレーターのテンポに合っているか
同じ1.7倍でもナレーターによって体感速度は変わります。
⑤ そのときの状況に合っているか
特に運転中は、安全運転を最優先にします。
研究から分かることと、分からないこと
今回、再生速度に関する研究をいくつか調べました。
研究によって、
「2倍でも記憶成績に有意差がなかった」
という結果もあれば、
「高速化すると認知負荷が増え、記憶や学習満足度が低下する傾向がある」
という結果もあります。
また、個人によって良い学習結果が出る速度が異なる可能性も示されています。
そして重要なのは、こうした研究の多くが、
学生が講義動画を見る状況
を調べていることです。
僕のように、
営業車を運転しながら小説を1.7倍で聴く状況
とは同じではありません。
したがって、
研究によって1.7倍が最適だと証明されている
とは言えません。
むしろ調べれば調べるほど、
最適な再生速度を、一つの数字で決めない方がいい。
という僕自身の考えが強くなりました。
まとめ|Audibleのおすすめ再生速度は「自分が意味を追える速度」
僕はAudibleを約2年間、約1,010時間使ってきました。
現在一番よく使っているのは1.7倍前後です。
ただし、
- 1.5倍にする本
- 1.8倍にする本
- 2倍で聴く本
もあります。
再生速度を決めるときに大切なのは、
「何倍速まで聞き取れるか」ではない
と思っています。
一番速い速度ではなく、一番気持ちよく内容を追える速度が正解。
速く聴いても問題が見られなかった研究がある一方で、2025年のメタ分析では、高速再生による認知負荷の増加や記憶成績・満足度の低下も報告されています。研究結果を見ても、すべての人・すべての内容に共通する「正解の倍速」があるとは言いにくいです。
僕の場合、それが今のところ1.7倍前後。
Audibleを使い始めたばかりなら、まずは1.2〜1.5倍程度から試して、
「もう少し速くても大丈夫」
と思ったら少しずつ上げてみる。
それくらいでいいと思います。
そして運転中に聴く場合は、再生速度より安全運転が最優先です。
内容が抜けたら、後でまた聴けばいい。
Audibleは試験ではありません。
耳が追える速度ではなく、頭が追える速度で聴く。
自分が一番楽しめる速度で、本に触れる時間を増やしていく。
それが、1,000時間以上使ってきた僕の結論です。
Audibleを自分に合った速度で試してみる
Audibleは、作品に合わせて再生速度を細かく変更できます。
まずは自分が自然に聴ける速度から始めて、少しずつ調整してみるのがおすすめです。
※無料体験やキャンペーンの内容・対象条件は、登録時の公式ページで確認してください。
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参考文献
Kıyak YS, et al. (2023)
The effect of watching lecture videos at 2× speed on memory retention performance of medical students: An experimental study.
Medical Teacher.
1倍と2倍の講義動画を比較し、直後および1週間後の記憶テストで統計的な有意差は確認されませんでした。
Mo CY, et al. (2022)
Video Playback Speed Influence on Learning Effect From the Perspective of Personalized Adaptive Learning: A Study Based on Cognitive Load Theory.
Frontiers in Psychology.
1.0・1.25・1.5・2倍を比較し、学習効果や認知負荷、個人差について検討しています。
Huang G, Du Y, Yang H. (2025)
Facilitating or hindering learning – a meta-analysis of acceleration on video learning.
Frontiers in Psychology.
12本の実験・準実験研究を統合し、高速再生による認知負荷や記憶、学習満足度への影響を分析したメタ分析です。
Jeong M, et al. (2026)
Both fast and slow speech can increase listening effort and impair speech comprehension in young listeners.
Journal of the Acoustical Society of America.
速い音声だけでなく、遅い音声でも、特にデュアルタスク条件では理解や聞き取り努力に影響が出ることを報告しています。
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今回の記事は研究パートがあるので、装飾を増やしすぎるより、黄色マーカー=実体験から得た結論、ボックス=研究上の注意点・要約と役割を分けると読みやすいです。
特に強調するなら、「数字に自分を合わせるのではなく、作品に速度を合わせる」「聞き取れる最大速度ではなく、疲れずに聴き続けられる速度」「耳が追える速度ではなく、頭が追える速度」の3つを記事の軸にするのがいいです。
研究部分は今回の完成稿くらいの量で十分です。これ以上増やすと「Audibleの使い方記事」より「論文解説記事」に寄ってしまうので、実体験7:研究3くらいの現在のバランスが合っています。

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