『俺たちの箱根駅伝』Audible版を聴いた感想|駅伝に興味ゼロの僕が3回泣いた

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『俺たちの箱根駅伝』Audible版を聴いた感想|駅伝とテレビ中継を描いたイメージ

「箱根駅伝って、走っている姿をずっと中継して何が面白いんだろう?」

正直、僕はずっとそう思っていました。

昔から正月になると父親が箱根駅伝の中継を見ていましたが、僕自身は一度もまともに見たことがありません。

そんな僕が、池井戸潤さんの『俺たちの箱根駅伝』をAudibleで上下巻すべて聴きました。

そして――

レースシーンで3回くらい泣きました。

聴き終えた今は、次の箱根駅伝をリアルタイムで最初から最後まで見てみたいと思っています。

自分でも驚くくらいの変化です。

きっかけは、ドラマ版『俺たちの箱根駅伝』でした。

ドラマの1・2話を見て続きが気になり、「それなら原作をAudibleで聴いてみよう」と思ったのが始まりです。

池井戸作品はこれまでにも結構読んできました。

それでも『俺たちの箱根駅伝』には、なかなか手が伸びませんでした。

理由は単純です。

僕が駅伝にまったく興味がなかったからです。

でも、それは完全な食わず嫌いでした。

『俺たちの箱根駅伝』は青春小説であり、スポーツ小説であり、池井戸潤らしい「仕事に本気で向き合う人たち」を描いたお仕事小説でもあります。

この記事では、箱根駅伝にまったく興味がなかった僕が、『俺たちの箱根駅伝』をAudibleで上下巻聴いてどう感じたのか、実体験を中心に紹介します。

この記事でわかること
  • 『俺たちの箱根駅伝』をAudibleで上下巻聴いた率直な感想
  • 1.7倍速で聴いたときの聴きやすさと実際にかかる時間
  • 箱根駅伝に興味ゼロだった僕でもハマった理由
  • ナレーションやレースシーンの聴きごたえ
  • 学生ランナーだけではない「テレビ中継側」の面白さ
  • ドラマ版を見て感じたキャスティングの印象

※物語の結末やレース結果など、重要なネタバレはできるだけ避けています。

この記事を書いた人|ナギ

営業職として月約4,000kmを車で移動。Audibleを約2年間利用し、122作品・1,010時間以上を聴いています。普段は1.7倍速前後を中心に、小説をAudibleで楽しんでいます。

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目次

『俺たちの箱根駅伝』はどんな作品?

『俺たちの箱根駅伝』は、池井戸潤さんが箱根駅伝を題材に描いた長編小説です。

物語では、箱根駅伝に挑む学生ランナーたちと、箱根駅伝を生中継するテレビ局スタッフたち、二つの世界が並行して描かれていきます。

学生側では、普段は別々の大学で走っている選手たちによって編成される関東学生連合が大きな存在になります。

僕はこの作品を聴くまで、関東学生連合という仕組みがあることすら知りませんでした。

所属大学も、箱根駅伝にかける思いも違う選手たちが集まり、少しずつ一つのチームになっていきます。

一方、もう一つの大きな軸になるのが、箱根駅伝をテレビで伝える側の人たちです。

ディレクターやアナウンサーをはじめ、巨大な生中継を成立させる人々の仕事も細かく描かれます。

聴く前は「箱根駅伝を題材にしたスポーツ小説」くらいに思っていました。

でも実際に最後まで聴くと、印象はかなり違いました。

青春小説であり、スポーツ小説であり、池井戸潤らしいお仕事小説でもある。

一つのジャンルだけでは語れない作品です。

『俺たちの箱根駅伝』をAudibleで上下巻聴いた感想

結論からいうと、

「なんで今まで箱根駅伝を食わず嫌いしていたんだろう」

と思うくらい面白かったです。

特に物語が進み、レースに入ってからの熱量はすごいです。

さまざまなバックグラウンドを持った選手たちが、それぞれ違う思いを抱えてタスキをつないでいきます。

単に「どのチームが勝つのか」だけではありません。

一人ひとりにドラマがあり、監督がいて、マネージャーがいて、家族がいて、これまで支えてきた人たちがいる。

その背景を知ったうえでレースを聴くので、一つひとつの場面がものすごく重く感じられます。

僕はレースのシーンで3回くらい泣きました。

そして、この作品が面白いのは「走る側」だけではありません。

箱根駅伝を中継するテレビ局の人たちにも、同じくらい熱いドラマがあります。

ここが、僕にはかなり刺さりました。

1.7倍速がむしろレースの緊張感とスピード感に合っていた

僕は『俺たちの箱根駅伝』上下巻を、基本的に1.7倍速で聴きました。

結果として、この作品と1.7倍速はかなり相性が良かったです。

単に「1.7倍速でも内容を理解できた」というだけではありません。

むしろレースシーンでは、少し速めの再生速度によって緊張感やスピード感が増したように感じました。

選手が走る。

実況が入る。

レースが動く。

タスキがつながっていく。

そのテンポと1.7倍速の朗読がうまく重なって、実際の駅伝中継を追っているような感覚がありました。

ナレーターの浅木俊之さんの朗読も良かったです。

登場人物が多い作品ですが、僕は大きなストレスを感じることなく最後まで聴けました。

もちろん、Audibleを使い始めたばかりの人が無理に1.7倍速にする必要はありません。

自分が物語を楽しめる速度で聴くのが一番です。

『俺たちの箱根駅伝』は、上下巻合わせて19時間58分あります。

ほぼ20時間ある長編ですが、1.7倍速なら単純計算で約11時間45分。通常速度で聴く場合と比べると、約8時間短くなります。

僕は普段からAudibleを1.7倍速前後で聴いているので、今回も無理に速くしている感覚はありませんでした。

「約20時間」と聞くとかなり長く感じますが、1.7倍速なら12時間弱。営業車での移動時間を使って聴いていたこともあり、僕はそれほど長さを感じませんでした。

『俺たちの箱根駅伝』Audible版の基本情報

作品俺たちの箱根駅伝 上・下
著者池井戸潤
ナレーター浅木俊之
上巻10時間39分
下巻9時間19分
合計19時間58分
Audible聴き放題対象(記事執筆時点)

上下巻合わせて約20時間ある長編ですが、物語が動き始めると続きが気になり、特に後半はどんどん聴き進めたくなりました。

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箱根駅伝に興味ゼロだった僕でもハマった

僕の実家では、正月になると父親が箱根駅伝を見ていました。

でも、僕はほとんど興味を持てませんでした。

「走っているだけの姿を何時間も中継して、何がそんなに面白いんだろう?」

本当にそのくらいの感覚です。

ところが不思議なもので、箱根駅伝をまともに見たことがない僕でも、有名な坂や中継所の名前はいくつか知っていました。

箱根駅伝というものが、それだけ日本のお正月に染み込んでいるということなのかもしれません。

そして今回、この作品を聴いて初めて知ったこともたくさんありました。

その一つが「関東学生連合」です。

普段は別々の大学で走っている選手たちが集まり、一つのチームになる。

ずっと同じ仲間と練習してきたチームとは違います。

所属も違えば、箱根駅伝にかける思いも違う。

そんなメンバーが集まり、次第に一つのチームになっていく過程が、とにかく熱かったです。

関東学生連合の選手たちが、とにかく眩しい

この作品に登場する学生たちを見ていると、ときどき自分が情けなくなります。

「大学生って、こんなに人間できているのか……」

と、アラフォーの自分が思ってしまうくらいです。

もちろんフィクションではあります。

それでも、競技に向き合う姿勢、仲間への思い、自分が走る意味を考える姿には、学生というより一人のプロのような意識を感じました。

それぞれ個性も違えば、箱根駅伝にかける理由も違います。

最初から一枚岩のチームではありません。

それが少しずつ「チーム」になっていく。

この過程が本当に熱いです。

テレビ中継側のドラマがものすごく面白い

『俺たちの箱根駅伝』の魅力は、学生たちの青春ドラマだけではありません。

僕が同じくらい面白いと思ったのが、箱根駅伝を中継するテレビ局側の物語です。

ここはかなり「ザ・池井戸作品」という感じがあります。

熱い人。

仕事に誇りを持っている人。

現場とぶつかる人。

正直、憎たらしく感じる人。

いろいろな人物が登場します。

その中でも特に印象に残ったのが、辛島アナウンサーでした。

辛島アナの言葉には何度も胸を熱くさせられました。

詳しく書くと楽しみを奪ってしまうので伏せますが、聴きながら何度も思いました。

自分の仕事に誇りを持っている人は、やっぱりかっこいい。

学生たちの青春物語を楽しむ作品だと思って聴き始めたのに、気がつけばテレビマンたちの職人技にも夢中になっていました。

だからこの作品は、スポーツ好きだけではなく、仕事に向き合うビジネスマンにも刺さると思います。

箱根駅伝中継は「ただカメラで追っている」わけではなかった

特に面白かったのが、箱根駅伝をテレビで生中継する難しさです。

僕はこれまで、中継する側について考えたことがありませんでした。

テレビをつければ箱根駅伝が映っている。

そのくらいにしか思っていませんでした。

でも考えてみれば、駅伝はずっと動き続けています。

野球ならイニングの切れ目があり、サッカーならハーフタイムがあります。

一方、駅伝はいつ大きな動きが起きるか分かりません。

CMをどこで入れるのか。

どの選手を映すのか。

どの情報を、どのタイミングで伝えるのか。

それだけを取っても、ものすごい判断と経験が必要なのだと知りました。

普段当たり前のように見ているスポーツ中継の裏側にも、たくさんのプロの仕事があります。

学生ランナーだけではなく、彼らの走りを日本中に届けようとする人たちも戦っている。

ここまで描くからこそ、『俺たちの箱根駅伝』は単なるスポーツ小説ではなく、池井戸潤らしい「お仕事小説」にもなっているのだと思います。

なぜか『SLAM DUNK』と重なった

駅伝とバスケットボール。

競技としてはまったく違います。

それなのに、『俺たちの箱根駅伝』を聴きながら、何度も大好きな『SLAM DUNK』と似た感動を感じました。

個性のまったく違うメンバーが集まり、少しずつチームになっていく。

周囲から強豪とは見られていなかったチームが、大きな相手に挑んでいく。

自分のためだけではなく、仲間や家族、支えてくれた人のために戦う。

そして試合――『俺たちの箱根駅伝』ならレース――に入ったときの緊迫感と爽快感。

湘北高校と関東学生連合を同じものとして語ることはできません。

それでも僕の中では、両作品から感じる「バラバラだった人たちがチームになっていく熱さ」に共通するものがありました。

全く違うスポーツなのに、同じように胸が熱くなる。

そこが不思議で、面白かったです。

ドラマを見てから原作を聴いたら、キャストがしっくりきた

僕は原作を先に読んだのではなく、ドラマの1・2話を見てからAudibleを聴き始めました。

ドラマの雰囲気が気になる方は、日テレドラマ公式の予告映像を見るとイメージしやすいと思います。

そのため、Audibleを聴いている間も、ドラマのキャストを頭に浮かべながら物語を追っていました。

そして上下巻を最後まで聴き終えた今、かなり強く思っています。

このキャスティング、すごくいい。

  • 甲斐真人(学生連合チームの監督):山下智久さん
  • 宮本菜月(テレビ局のディレクター):伊藤沙莉さん
  • 辛島文三(アナウンサー):竹中直人さん

特にこの3人は、原作を聴けば聴くほど「合っているな」と感じました。

中でも辛島アナについては、「あの場面を竹中直人さんで見たら、絶対いいだろうな」と想像しながら聴いていました。

原作の重要な展開は書きませんが、ドラマを見て「これから本当に面白くなるのかな?」と思っている人には伝えたいです。

物語が進めば進むほど、どんどん熱くなります。

原作と大きな流れが同じなら、ドラマも終盤はかなり感情を揺さぶられる作品になるのではないかと思っています。

聴き終えたあと、本物の箱根駅伝まで見たくなった

僕にとって、この作品を聴いて一番大きかった変化はこれです。

Audibleを聴き終えたあと、YouTubeで過去の箱根駅伝の名シーンを探して見ました。

今までまともに箱根駅伝を見たことすらなかった人間が、です。

もちろん『俺たちの箱根駅伝』自体はフィクションです。

でも実際の箱根駅伝にも、たくさんのドラマがあります。

そして、おそらく次の箱根駅伝はリアルタイムで最初から最後まで見ると思います。

今までとは見方も変わるはずです。

  • 今、なぜこの選手を映しているんだろう
  • どのタイミングでCMへ入るんだろう
  • 実況する人はどんな準備をしているんだろう

そんなふうに、中継する側の仕事まで意識して見てしまいそうです。

『俺たちの箱根駅伝』は、僕にとって長年の食わず嫌いをやめるきっかけになった作品でした。

ドラマ化をきっかけに原作を聴いたので、まんまと日本テレビの作戦に乗せられたのかもしれません。

でも、ここまで気持ちよくハマったのなら、そのまま乗っかろうと思います。

営業車で聴く作品としても相性が良かった

僕は営業職で、仕事では月に約4,000km車を運転しています。

今回の『俺たちの箱根駅伝』も、かなりの部分を営業車での移動中に聴きました。

登場人物は多いものの、物語が動き始めると続きが気になり、長距離移動でもかなり聴き進めやすい作品でした。

ただし、レースの重要な場面などは物語に入り込みやすいため、車でAudibleを聴く場合は当然ながら安全運転が最優先です。

交通量が多い場所や複雑な道路では、内容を追うことより運転に集中し、聞き逃した部分はあとで聴き直すようにしています。

『俺たちの箱根駅伝』はこんな人におすすめ

実際にAudibleで上下巻を聴き終えて、特におすすめしたいのはこんな人です。

  • ドラマ『俺たちの箱根駅伝』を見ている
  • 池井戸潤作品が好き
  • スポーツ小説が好き
  • 青春もの・チームものが好き
  • 『SLAM DUNK』のようなチームが成長していく物語が好き
  • 仕事に誇りを持つ人たちを描いた作品が好き
  • 箱根駅伝に興味はあるけれど詳しくは知らない
  • むしろ箱根駅伝にあまり興味がない

最後の人にこそ、僕はおすすめしたいです。

僕自身がそうだったからです。

まとめ|青春・スポーツ・仕事、全部入った傑作だった

池井戸潤さんの作品はこれまでにもいろいろ読んできました。

でも『俺たちの箱根駅伝』は、題材が駅伝というだけで、ずっと手を出さずにいました。

今となっては、完全な食わず嫌いだったと思います。

学生たちの青春。

関東学生連合という一風変わったチームが少しずつまとまっていく熱さ。

レースの緊迫感。

選手を支える監督やマネージャー、家族。

そして、箱根駅伝を日本中へ届けるテレビマンたちの仕事。

青春作品でもあり、スポーツ作品でもあり、ビジネス・お仕事作品としても面白い。

これが、上下巻をAudibleで聴き終えた僕の感想です。

レースシーンでは3回くらい泣きました。

そして、ずっと箱根駅伝に興味がなかった僕が、今では「次はリアルタイムで見よう」と思っています。

作品を一つ聴いただけで、これまで興味のなかったものの見え方まで変わった。

それだけでも、僕にとって『俺たちの箱根駅伝』を聴いた価値は十分にありました。

ドラマを見て続きが気になっている人。

僕と同じように「箱根駅伝ってそんなに面白いの?」と思っている人。

そんな人にも、ぜひ原作をAudibleで聴いてみてほしい作品です。

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この記事を書いた人

地方で暮らすアラフォー会社員。営業職として月約4,000kmを車で移動しています。Audibleを約2年間利用し、これまでに122作品・1,010時間以上を聴いてきました。実際に聴いた本の感想や、忙しい社会人が移動時間を読書時間に変える方法を、実体験をもとに発信しています。

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