私が「生涯ベストの小説は?」と聞かれたら、迷わず挙げる一冊があります。
それが、尊敬する百田尚樹さんの名作『海賊とよばれた男』です。
これまでに5回は読み返し、そのたびに胸を熱くし、感動のあまり知人にプレゼントしたこともあるほど、私はこの作品に惚れ込んでいます。
そして私は普段、営業で月に約4,000kmほど車を走らせています。これまでに1,100時間以上、120タイトル以上のAudible作品を聴いてきました。
そんな私が、これまで聴いてきた作品の中でも特に強くおすすめしたいのが『海賊とよばれた男』です。
この記事では、私がなぜこの作品を「生涯ベスト」と感じているのか。そして、すでに紙の本で何度も読んだ私が、なぜAudible版でも改めて感動したのかを紹介します。
『海賊とよばれた男』の作品情報・あらすじ

まずは、『海賊とよばれた男』の基本情報をご紹介します。
| タイトル | 海賊とよばれた男 |
| 著者 | 百田尚樹 |
| ナレーター | 井上和彦 |
| 上巻 | 14時間6分 |
| 下巻 | 13時間3分 |
| 合計再生時間 | 27時間9分 |
| ジャンル | 歴史・経済小説 |
上下巻を合わせると、27時間9分という大長編です。
『海賊とよばれた男』のあらすじ
『海賊とよばれた男』は、出光興産の創業者・出光佐三氏をモデルに、戦前から戦後にかけて石油販売に生涯をかけた男の生き様を描いた歴史経済小説です。
敗戦によってすべてを失ったかに見えた中、莫大な借金を抱えながらも一人の店員も解雇せず、再起を図る「国岡商店」の店主・國岡鐡造。
やがて國岡は、国内の既得権益だけでなく、巨大な国際石油メジャーを相手に、石油をめぐる壮大な戦いに挑んでいきます。
「一人の店員もクビにはしない」という信念を貫きながら、店員たちとともに困難に立ち向かっていく姿が、本作の大きな魅力です。
『海賊とよばれた男』は実話?出光佐三との関係
ここで一つ、注意しておきたいことがあります。
主人公の國岡鐡造は、実在した出光興産創業者・出光佐三氏をモデルにした人物です。
ただし、『海賊とよばれた男』は出光佐三氏の生涯をそのまま描いたノンフィクションや伝記ではありません。実在の人物や出来事をモデルにしながら、百田尚樹さんによって小説として描かれた作品です。
そのため、作品を読む際には、すべてが完全な史実として描かれているわけではないことを頭に入れておくとよいでしょう。
それでも私は、読み終えるたびにこう思います。
「かつての日本に、これほどまでに気骨のある人物がいたのか」と。
これほどの人物が日本にいたのか。胸が熱くなるストーリー
『海賊とよばれた男』の最大の魅力は、何といっても國岡鐡造という男の生き様です。
どれほど厳しい状況に追い込まれても、自分の信念を曲げない。そして、自分だけが成功することではなく、共に働く人たちを守ろうとする。
特に印象に残るのが、経営者と社員というドライな関係ではなく、國岡商店における「店主」と「家族」という関係です。
どんな苦境に立たされても店員を簡単には切り捨てず、共に戦い抜く。
もちろん、現代の企業経営にそのまま当てはめられる話ではありません。
それでも、仕事とは何なのか。組織とは何なのか。そして、働くということにどんな誇りを持てるのか。
そんなことを考えさせられる作品です。
私は、働くすべての人に一度は知ってほしい物語だと思っています。
『不毛地帯』が好きな人にもおすすめしたい
『海賊とよばれた男』を読んでいると、山崎豊子さんの『不毛地帯』を思い出すことがあります。
もちろん、作品のテーマや描き方は異なります。
しかし、戦後日本を舞台に、巨大な組織や海外勢力と渡り合う男たちの姿。そして、仕事に人生を懸ける人間の姿には、どこか通じるものを感じます。
『不毛地帯』のような、スケールの大きな企業・経済・歴史小説が好きな人なら、『海賊とよばれた男』にも引き込まれると思います。

映画版も素晴らしい。でも原作のスケールはAudibleで
『海賊とよばれた男』は、岡田准一さん主演で映画化もされています。
私も映画を観ましたが、こちらも非常に良い作品でした。
ただ、これほどの長編小説を映画という限られた時間に収める以上、どうしても描き切れない部分があります。
原作には、國岡鐡造の人生だけでなく、店員たち一人ひとりの物語や、石油をめぐるさまざまな出来事が描かれています。
映画を観て「もっとこの物語を知りたい」と感じた方には、ぜひ原作をおすすめしたいです。
そして、その入口として非常に相性がいいのがAudibleです。
Audible版『海賊とよばれた男』の魅力
上下巻合わせて27時間9分の大作を「耳」で楽しめる

『海賊とよばれた男』は、上下巻合わせて27時間9分という大長編です。
紙の本で読む場合、かなりのボリュームがあります。
もちろん、時間をかけてじっくり読む価値のある作品ですが、「読みたいけれど、なかなか読書時間が取れない」という人もいるでしょう。
そんなときにAudibleが力を発揮します。
通勤時間、営業車での移動、出張中の移動時間など、普段ならただ過ぎていく時間を、そのまま物語を楽しむ時間に変えられます。
私自身、営業で月に約4,000kmほど車を運転するので、長編作品ほどAudibleとの相性の良さを実感します。

井上和彦さんのナレーションが素晴らしい
そして、私がAudible版で特に素晴らしいと思ったのが、井上和彦さんのナレーションです。
私はこれまでAudibleを1,100時間以上聴いてきましたが、本作はナレーションの印象が特に強く残っている作品の一つです。
登場人物たちの熱量や緊張感、絶望、そしてそこから這い上がろうとする力強さが、声によってより鮮明に伝わってきます。
活字で読んだときとはまた違った感覚で物語が立ち上がってくるので、すでに原作を読んだことがある人にもAudible版をおすすめできます。
門司を訪れて、実際の史料を見ながら思わず涙した
この作品への思い入れが、さらに強くなった出来事があります。
数年前、出張で福岡県北九州市門司区を訪れる機会がありました。
門司は、作品のモデルとなった出光佐三氏ゆかりの地です。
せっかく門司に来たのだからと、出光美術館に併設されている「出光創業史料室」を訪れました。
小説を5回も読み返し、Audibleでも何度も耳にしてきた物語。そのモデルとなった人物の歩んだ道のりを、実際の史料を通して見ることができる場所です。

門司の街並みを歩き、出光美術館を訪れ、創業史料室に展示された数々の資料を眺めていると、これまで何度も読んできた小説の場面が、次々と頭の中によみがえってきました。
小説の中で何度も触れてきた人物や会社の背景が、今度は実際の史料として目の前にある。
その感覚が、自分でも驚くほど胸に迫ってきました。
そして、展示を見ながら思わず涙が出てしまいました。
単なる「小説の舞台を訪れた」という感覚ではありません。
5回も読み返し、何度も心を動かされた物語。そのモデルとなった人物の足跡を、実際の史料を通して感じたことで、これまで読んできた物語が現実の歴史とつながったような気がしたのです。
そして、帰りには出光佐三氏に関する書籍も購入しました。
今でも、このときのことは強く記憶に残っています。
『海賊とよばれた男』はこんな人におすすめ
- 仕事への情熱を取り戻したい人
- 経営者やリーダーの生き方に興味がある人
- 山崎豊子さんの『不毛地帯』が好きな人
- 歴史小説・経済小説が好きな人
- スケールの大きな長編小説を楽しみたい人
- 映画版を観て、もっと作品を深く知りたい人
- 長編小説をAudibleで楽しんでみたい人
- 通勤や車での移動時間を読書時間に変えたい人
上下巻の読書がハードルなら、まずはAudibleで
『海賊とよばれた男』は、間違いなく私にとって人生の財産になっている一冊です。
ただ、上下巻の大長編ということもあり、「読んでみたいけれど、なかなか手を出せない」という人もいると思います。
そんな方にこそ、まずはAudibleで「耳から」入ってみてほしいと思っています。
通勤中、営業車の中、出張の移動中。
普段なら何気なく過ぎていく時間に、國岡鐡造たちの物語を重ねてみてください。
仕事で行き詰まりを感じている人。もう一度、仕事に対する熱量を取り戻したい人。そして、人生を懸けて何かに挑む人間の姿を見たい人。
きっと、心に残るものがあるはずです。
まとめ|5回読んでも、また聴きたくなる
私にとって『海賊とよばれた男』は、単なる「おすすめ小説」ではありません。
これまで何度も読み返し、そのたびに心を動かされ、ついには作品のモデルとなった人物ゆかりの地まで訪れるきっかけになった、生涯忘れられない一冊です。
そしてAudibleで改めて聴いてみて、強く感じたことがあります。
「この作品は、耳で聴いても凄い」ということです。
上下巻合わせて27時間9分という大作だからこそ、Audibleとの相性も抜群です。
紙の上下巻を手に取ることに少しハードルを感じるなら、まずはAudibleで『海賊とよばれた男』を「聴く」ところから始めてみてください。
私が5回読んでも、そしてAudibleで聴き直しても心を動かされたこの物語を、ぜひ一度体験してみてほしいと思います。
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